中小企業診断士 経済学・経済政策 平成29年度 H29 第4問(設問2) 完全雇用GDP 過去問解説
中小企業診断士合格ノート1次試験7科目販売中!(全7科目6割以上得点し科目合格した際に作成したサブノートです)
ブログサイト note で販売しています。
squaresco.biz.contact@gmail.comにご連絡いただければ直接販売も可能です。
最近の記事一覧
人気の記事:
中小企業診断士合格ノートの紹介
中小企業診断士 試験概要 科目合格について
「経済」合格ノート無料公開 まとめ|証券アナリスト&中小企業診断士 共通
証券アナリストは中古のテキストで試験対策可能!?
以下、本文です。
第4問
GDP は、国の経済の大きさを測る際に利用される代表的な尺度のひとつである。GDP を需要サイドから捉えたものは総需要と呼ばれる。以下の設問に答えよ。
設問2
総需要の大きさは、均衡 GDP の決定にとって重要である。総需要と均衡 GDPの関係は、下図のような 45 度線図によって表すことができる。下図で、YF は完全雇用 GDP、YE は現実の GDP、AD は総需要である。総需要線が AD0 からAD1 に上方シフトすることで完全雇用 GDP を実現できる。このとき、乗数の大きさを表すものとして、最も適切なものを下記の解答群か
ら選べ。
解答群
ア AF/AB
イ AF/AE
ウ AB/BF
エ AF/BF
解説
45度線分析は、ケインズ経済学における「総需要が総供給を決定する」という有効需要の原理をグラフで表現したものです。
国民総生産の問題で、供給と表現されたときは生産面、所得という表現がされたときは分配面、需要という表現がされたときは支出面、と読みかえてください。
↑図のYF:均衡国民所得(分配面)は、総需要(支出面)と総供給(生産面)が点Fで一致している状態です。
詳しくは↓の画像を見てください。↑図のAD1は↓図ではC+I(需要)です。↑図のYFは↓図の均衡GDP(Y*)です。
画像にある通りですが、Y*より左側では超過需要の状態であり、在庫を削って供給し在庫量を保つために生産を増やすのでY*の生産量で落ち着く(均衡する)様子を表している図です。
他の用語を説明すると、
完全雇用GDP:働きたいと考えている人を全員雇うのに必要なGDP
均衡GDP:ある状態における45度線とAD線の交点(生産面と需要面が一致している状態)におけるGDPです。その状態のGDPを生産するのに必要な労働者数が、その時働きたいと考えているひとの数に一致するわけではないので、均衡GDPが完全雇用GDPというわけではありません。
↑の説明は重要です。ぜひ画像と合わせて理解してください。
問題の解説に移ります。
45度線分析における乗数効果とは、総需要の増加により、その何倍GDPが増えるかというものです。従ってGDP:Yの増加分と総需要ADの増加分の倍率を求めることになります。つまり、横軸の増加分と縦軸の増加分の倍率(横軸の増加分/縦軸の増加分)です。
総需要ADの増加分を⊿AD、GDPの増加分を⊿Yとすると、線分BFが⊿ADであり、線分AEが⊿Yになります。⊿はデルタと読みます。数学ではごく小さい差(変化)を表す際に用いられます。
したがって乗数は、⊿Y/⊿AD=AE/BFとなります。では解答群にAE/BFはあるかというと、、、ありませんね(-_-;)
分母がBFなのは、ウ AB/BF か、エ AF/BF なのでどちらかでしょう。
ここからは数学のセンスが必要になりますが、線分AEと同じ長さのところを探します。
三角形AEFは、直角に接している線分AF,AEと45度線に囲まれているので直角二等辺三角形です。つまり、線分AF=線分AEなので、AE/BF=AF/BFとなり、エが正解です。
解答
エ
間違っていました。45度線分析については理解していたつもりですが、45度線分析系の問題で乗数という言葉が出てきたことがなかったので、乗数とGDPを頭の中でリンクさせることができませんでした。
乗数というと政府支出乗数しか知りません。確かに、政府支出乗数は政府支出が国民所得に与える影響度合いのことなので、センスがあればこの問題における乗数の意味もわかりそうですが、私は基本的に応用力がないみたいです(-_-;)
乗数というのは、「何かが何かに与える影響度合い」というのはどの問題でも変わらないので、他の問題で乗数が問われたとしてもこのことを覚えておいて応用できるようにしてください。
記事中の画像は試験勉強の際に作成した自作ノートの関連する部分です。
中小企業診断士合格ノートのサンプルはnote
証券アナリスト合格ノートのサンプルはnote(1次試験)、 note(2次試験)
で無料でダウンロードできますので、是非ご確認ください。
分からない単語は、メニューの検索に入力することで過去記事から全文検索ができます。
最後まで読んでいただきましてありがとうございました。
「Squares&Co.」「スクエアズコー」「パンダ商店」