中小企業診断士 財務・会計 平成29年度 H29 第19問 相関係数 過去問解説


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以下、本文です。

第19問
A、B の2つの株式から構成されるポートフォリオにおいて、相関係数をさまざまに設定した場合のリターンとリスクを表した下図の①〜④のうち、相関係数が-1であるケースとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

期待収益率

 

[解答群]
ア ①
イ ②
ウ ③
エ ④

 

解説

相関係数は通常、ギリシャ文字でρ(読み方はロー)

期待収益率は通常、E(R)(Expected Return)

標準偏差は通常、ギリシャ文字でδ(読み方はシグマ)

で表します。

平均分散アプローチ

この問題は株式を2種類購入した時の話です。

複数の株式の組み合わせ「ポートフォリオ」と呼びます。他にも、株式と債券や、株式と預金、預金と債券、株式と債券と預金など、ポートフォリオの組み合わせはいくつでもあります。

 

相関係数とは、

一般に、株式Aと株式Bがあるとき2つの株式の関係(相関)を表す尺度として「相関係数」があります。

2つの株式の価格が全く同じ動きをする場合、相関係数は+1

全く関係ない動きをする場合、相関係数は±0

全く反対の方向に動く場合、相関係数は-1となります。

例えば一般的に、円安のときに輸入企業Aは株価が下がり輸出企業Bは株価が上がりますが、この2社の株式の相関係数はマイナスということです。

ある日輸入企業Aは1%株価が下落し、輸出企業Bは1%株価が上昇したならその日の2社の株式の相関係数は-1になります。

反対に、同業種の株式、例えばメガバンク3行の株価は大体同じ動きをするので相関係数は+1に近いと言ってよいでしょう。

 

期待収益率とは、株式やポートフォリオの値上がり率です。

 

標準偏差とは、

値動きの大きさです。ボラティリティと言ったりします。

証券投資の分野では、値動きのことをリスクと言います。一般的には慣れない表現ですが、値下がりすることだけがリスクではなく、値上がりすることもリスクと言います。

つまり、標準偏差が小さいほどリスクが小さく、0%なら値動きが全くないノーリスクの株式やポートフォリオということです。

通常、株式は値動きが大きいので、1つの株式を持っているだけでは標準偏差(=リスク=値動き)は高いです。

しかし、輸入企業と輸出企業の例のように、相関係数が-1に近い株式同士でポートフォリオを組むことで、それぞれの標準偏差(=リスク=値動き)が高くてもポートフォリオで見た標準偏差(=リスク=値動き)0に近くすることができます。上記の例で考えると1%値下がりした輸入企業Aと1%値上がりした輸出企業Bのポートフォリオ全体の値動きは0%になりますね。

これは、平均分散アプローチと呼ばれるものです。

 

設問の図の見方ですが、

縦軸が期待収益率、横軸が標準偏差(=リスク=値動き)を表しています。

点Aは株式Aが持つ期待収益率・標準偏差の点です。

点Bは株式Bが持つ期待収益率・標準偏差の点です。

株式Aの方が上、右に位置しているので期待収益率と標準偏差(=リスク=値動き)どちらも、株式Bより高いという意味です。

①~④の線は相関係数が違う株式Aと株式Bのポートフォリオの組み合わせ比率を表しています。

①は相関係数ρ=+1である株式Aと株式Bのポートフォリオ

④は相関係数ρ=-1である株式Aと株式Bのポートフォリオ

ということです。

④で説明します。

縦軸に接している点をCとします。

点Cは株式Aと株式Bを1:1の割合で保有しているポートフォリオです。

点Cより右上にある④線上の点は株式Aの組み入れ比率の方が高いポートフォリオです。点Aまでいくと株式Aのみのポートフォリオ(=株式Aに一致する)ということになります。

 

設問の解説に移ります。

A、B の2つの株式から構成されるポートフォリオにおいて、相関係数が-1であるケースとして最も適切なものを選びます。

輸入企業と輸出企業の例で説明した通り、相関係数が-1になるポートフォリオ標準偏差(=リスク=値動き)は0%になります。

標準偏差が0%となる組み合わせを持っているポートフォリオを選べばよいので、標準偏差が0%となる点Cを含んでいる④が正解です。

 

解答

合っていました。

アナリスト試験では、証券分析の基礎的な問題です。図の見方が分かり相関係数の意味を知っていれば解けるので難しい問題ではありません。

診断士試験では財務・会計の科目で証券分析の問題が出題されます。平成29年度は問18~問25の8問は証券分析の問題でした。

いずれもアナリスト試験では基礎的な部分にあたります。

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