証券アナリスト 財務分析 2015年H27春 第1問 問7 収益認識基準 過去問解説


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25問解説まとめ|中小企業診断士 財務・会計 平成29年度 H29 過去問解説(証券アナリストの財務分析にも対応可能な解説です)  


以下、本文です。

第1問 問7

収益認識基準に関する問題です。

解説

収益認識基準とは、収益認識時点を定めるルールのことです。①現金主義、②発生主義、③実現主義の3種類があります。

以下、それぞれについて詳しく解説します。

大前提として、会計理論上の「収益」は売上高、営業外収益、特別利益をまとめたP/L上のプラスの総称をいいます。逆に、P/L上のマイナスの総称を「費用」と言います。その差額が「利益」です。

ごっちゃになりやすいのが、キャッシュの概念です。キャッシュが入ってくることを「収入」、出ていくことを「支出」といい、その差額は「収支」です。

さらに、この問題には関係ありませんが、税法上では「益金」「損金」「所得」という呼ばれ方で、課税所得を計算します。基本的には会計理論上の「収益」「費用」「利益」と対応していますが、会計理論では費用として認められるが、税法上では損金として認められない者があるなどの差があります。詳しくは、中小企業診断士 財務・会計 平成29年度 H29 第6問 税効果会計 過去問解説で確認してください。

①現金主義:回収基準とも呼ばれます。収益現金を受け取った時点、費用現金を支払った時点で認識するものです。したがって、現金主義を採用した損益は、決算期間の現金の収入支出の差額=収支そのものになります。キャッシュ概念と同じ意味になると考えてください。

現金商売が基本の個人商店などではこの方法が自然に感じられます。確実性と資金的裏付けを求める上では有効ですが、営業活動の成果を反映させるという点では不自然です。収益形成プロセスの最終局面で認識するため、認識される収益の確実性は高く、認識は遅くなります。「掛け」という信用取引が行われる現実社会では現金の動きに連動して収益費用を計上していては、企業の経済的実態を会計情報に反映できないので、今日ではほとんど採用されていません。ただ、割賦販売における回収基準では現金主義の具体的適用例として採用が認められています。

②発生主義:生産基準とも呼ばれます。現金の出入りではなく、企業活動による価値の創造という経済的事実の発生時点で収益費用を認識するものです。現実社会では、掛売りや掛買いで商売をするのが通例です。例えば、製造業を考えます。大規模な製造業会社では、完成した製品を取引先に収めるたびに現金を回収するのは大変です。そのため、「当月末締め、翌月末払い」というように当月に納入した製品の代金はまとめて翌月末に回収します。

このとき、製造業会社からすれば、製品はすでに納入しており、その代金の請求権も有しています。あとは、実際に現金が支払われるのを待つのみです。それでも、入金がまだという理由で売上げを計上しないと、「製造業会社としての製品を納入した」という事実も、「代金の請求権を有している」という事実も、どこにも記録されません。それでは会計情報が経済的実態を表しているとは言えないので、掛けで販売した時点で収益を認識しようというのが発生主義の考え方です。収益稼得の実態をタイムリーに把握可能で、現金主義より早い段階で収益を認識します。そのため、認識される収益に不確実な要因が多く含まれます。

発生主義には、出荷基準、積載基準、着荷基準、検収基準の具体的適用例があります。また、賃貸料や利子について、時間の経過を基準とし役務提供による経済的価値の増大を収益として認識します。

③実現主義:販売基準とも呼ばれます。収益のみに関する会計原則です。発生主義のように、収益について事実の発生に基づいて安易な認識を許すと、収益の水増しや架空計上につながるため、保守主義(=固く、会社にとって不利に見る)の観点からも、実現主義の基準は慎重になっています。発生主義とは違い、企業内部における新たな価値の創造を持って収益を認識するのではなく、「①財貨の提供または用役の引渡し、②対価として確定した現金同等物の受取り」の2条件の成立をもって収益を認識します。現金同等物には(その入金が確実に見込まれていれば)売掛金などの売上債権も含まれます。

実現主義の具体的適用例としては、通常の販売のほか、委託販売、試用販売、予約販売、割賦品の引き渡しを持って割賦収益認識の基準とする場合の割賦販売、工事の完成と引渡しの完了を持って収益認識の基準とする場合の請負工事(工事完成基準)が該当します。

A:問題文の通り、工事完成基準は工事が完了し引き渡した時点で収益を計上する方法であり、販売基準(=実現主義)の適用になるので◯。工事完成基準を採用している場合、工事の完成・引渡しが行われるまでに発生した工事原価は、貸借対照表に資産(未成工事支出金)として計上され、工事の完成・引渡しを行った時点で工事収益と工事費用を計上します。本によっては、工事期間中は費用のみ計上され、収益は工事完成年度に計上されると書いてあるものもあり、収益認識基準というのは色々な捉え方があるのだと思います。ただ、収益なくして費用なしの原則から、収益費用ともに工事完成時に認識されるのが正しいと思われます。

B:収穫基準は、農産物が収穫された時に収益を計上する方法であり、生産基準(=発生主義)の適用なので×。金銀や公定価格のある農産物については、安定した市価によって販売価額が決まっていたり、政府による買い上げが決まっていたりするので、販売や引渡しはそれほど重要ではないためです。また、農産物などは生産原価の計算が困難という理由もあります。

C:先物取引は時価で評価され、差額は当期の損益とされるので×。建玉(たてぎょく)とは、商品先物取引や株取引において、「売り買いの約束(=約定)はしているが、まだ支払い(=決済)をしていないので、取引は終わっていない」という状態のことを言います。

先物市場では、「3ヶ月後にリンゴ1個を100円で売るという約束」を売買することができます。その約束を買うには10円の証拠金が必要です。10円の証拠金を差し入れてその約束を買いました。これで買い建玉が発生します。先物市場では、その建玉は値上がりし、1ヶ月後110円の価値がつきました。その建玉を110円で売り(=反対売買し)10円の収益が出ました。これが先物取引です。先物取引では建玉決済された時ではなく、決算時に時価評価されて差額が当期の損益となります。

D:③実現主義の解説にもある通り、割賦販売は販売基準が原則なので×。

解答

A

↓のノート画像を見ていて現金基準の記述が間違っていそうなので、ネットでいろいろ調べましたがやっぱり違いそうだなと思い、正確な情報を得るため、すぐに大きい本屋さんに行って財務会計の本を何冊か読んでみました。

 

それでも、やっぱり現金基準は現金を回収した時点で収益認識するというものでした。掛売りしたとしてもその時点では収益として認識しません。

従って、①現金基準の画像の説明は間違いですのでご注意ください。申し訳ございません。

でも、このノートを書くときはアナリストの問題集や過去問の解説等、ちゃんとしたエビデンスがあって書いているはずなので、このような記述を見つけた方はぜひコメントを頂けるとありがたいです。

受験当時もあいまいだったということになり、悔しいので図書館で会計学の本を2冊借りて収益認識基準についてしっかり調べてからこの記事を書きました。



記事中の画像は試験勉強の際に作成した自作ノートの関連する部分です。

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最後まで読んでいただきましてありがとうございました。

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