中小企業診断士 財務・会計 平成29年度 H29 第14問 企業の資金調達 過去問解説
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以下、本文です。
第14問
次の文中の空欄A〜Dに当てはまる語句の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
企業の資金調達方法には、大きく分けて A と B がある。代表的な A としては C があり、 B としては D があげられる。
[解答群]
ア A:外部金融 B:内部金融 C:株式発行 D:利益留保
イ A:間接金融 B:直接金融 C:企業間信用 D:社債発行
ウ A:直接金融 B:間接金融 C:社債発行 D:利益留保
エ A:内部金融 B:外部金融 C:社債発行 D:減価償却
解説
この問題は、金融関係者であれば常識で解けそうな問題です。難しく考えなくてもよいでしょう。
簡単に選択肢の語句を説明します。
外部金融とは、銀行や資本市場などの自社以外から資金を調達する方法です。
内部金融とは、社内の努力である内部留保による資金調達のことで、売上を上げれば資金を得ることができ、経費を削減すれば手元に残る資金が増加します。
株式発行とは、株式会社は株式を発行し、投資家に買ってもらうことで資金を調達します。中小企業で考えると、発起人である社長が300万円の資本金で起業したとすると、その社長が300万円分の株式全てを保有している状態です。会社としては、株式の代わりに300万円の現金を得られたということになります。その後、会社の資金が足りなくなった場合は、新たに株式を発行し誰かに買ってもらう事で資金を調達することができます。
利益留保とは、内部金融の一つで、今までの利益を貯めてきた分から調達する方法です。「内部から調達」というのは違和感がありますが、財務で企業資金の動きは「運用」と「調達」に分かれるので、内部からでも調達という表現をします。
間接金融とは、具体的には銀行からお金を借りることです。実際のお金の供給者は一般預金者ですが、銀行が仲介することで間接的に一般預金者から資金を調達します。資金供給者である一般預金者の預金は基本的に守れているので資金供給者はリスクを取らず、仲介者である銀行がリスクを取るという特徴があります。
直接金融とは、社債や株式発行で市場の資金供給者から直接資金を調達します。↓画像の通り、間接金融とは違い仲介者は主に証券会社になりますが、リスクを取らず情報収集と伝達を行い、資金供給者がリスクを取るという特徴があります。
企業間信用とは、売掛金、買掛金、手形等で取引先の企業間で現金をやり取りせず、数カ月先まで資金が掛けになる状態で、実質的に企業間で貸し借りが発生していることになります。
社債発行とは、投資家からお金を借りることを言います。株式発行は投資家から出資をしてもらうので、配当金等を出すことはありますが、返済義務はありません。社債の場合はあくまで借入なので返済義務があることが得特徴です。
減価償却とは、非資金費用といい、キャッシュが出ていかない費用なので損益計算書で出る利益よりも実際に使えるキャッシュは多くなります。キャッシュフロー計算書を勉強すれば理解しやすいです。
この問題には関係ありませんが、関連項目として「ペッキング・オーダー理論」があります。診断士試験で出るかわかりませんが、アナリスト試験では出ます。
↓画像の通り、内部金融→間接金融→直接金融の順で企業規模を拡大するために資金調達をする考え方です。
解答
ア
合っていました。
穴埋めの並びでA=C、B=Dとなる組み合わせの選択肢を選ぶと
企業の資金調達方法には、大きく分けて 外部金融 と 内部金融 がある。代表的な 外部金融 としては 株式発行 があり、 内部金融 としては 利益留保 があげられる。
となります。
冒頭でも書きましたが、金融関係者であれば非常に簡単な問題です。診断士やアナリストの勉強をするうちに自然と覚えるぐらいの知識なので、特に勉強する必要はないでしょう。
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