中小企業診断士 財務・会計 平成29年度 H29 第24問 WACC 過去問解説
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以下、本文です。
第24問
負債と純資産の構成が2:1 の企業がある。この企業の税引前負債資本コストが3%(税率は 40 %)、株主資本コストが 12 %であるときの加重平均資本コストとして、最も適切なものはどれか。
ア 5.2 %
イ 5.8 %
ウ 6.0 %
エ 9.0 %
解説
企業は調達した資金に対して何らかの対価を支払わねばならず、このコストのことを資本コストといい、資本に掛る年間コストの資本に対するパーセンテージで計算されます。
資本コストは、負債資本コストと株主資本コストの加重平均として求めることができ、加重平均資本コスト(=WACC=Weighted Average Cost of Capital)と呼ばれます。
負債資本コストとは、
例えば銀行借入に対する利子です。
100万円を年利3%で借りると、年間の支払利子は3万円となり、税引前負債資本コストは当然3%です。
負債資本コストには負債利用による節税効果があるので、税金が安くなる分、コストから引かなくてはなりません。税率を40%とすると、税引後負債資本コスト(=正味の負債資本コスト)は3%×(1-0.4)=1.8%となります。
別の求め方をすると、3%の支払利子は企業の費用なので企業の利益が3%減ることになります。
3%×税率40%=1.2%が節税効果で税引前負債資本コスト3%から引くと1.8%が税引後負債資本コスト(=正味の負債資本コスト)になるということです。
節税効果については、中小企業診断士財務・会計平成29年度 H29 第17問 MM理論節税効果過去問解説で詳しく解説しています。
株主資本コスト(=自己資本コスト=期待収益率)とは、
返済する義務のない資金(=資本金などの純資産)に対するコストです。つまり、株主への配当金だと思ってください。
株主が投資した資本に対して、投資先企業に期待する収益率のことを株主資本コストと呼ぶので、株主資本コストはCAPMで算出される期待収益率と同じものです。
株主資本コスト=安全資産の利子率+投資先企業のβ×(市場ポートフォリオの期待収益率-安全資産の利子率)
となります。
CAPMについては、中小企業診断士財務・会計平成29年度 H29 第20問 CAPM 過去問解説で詳しく解説しています。
加重平均資本コストは画像①の式で表されます。
本問を解く場合は、右辺の式を使って求められます。
実際に値を代入すると、
WACC=3%×(1-0.4)×2/3+12%×1/3=5.2%
となります。
文字の意味は画像②で確認してください。
①
②
解答
ア
間違っていました。
求めるものは分かるのですが、節税効果をどこに入れるのかが曖昧で、無視して計算し、ウ 6.0%を選択肢しました。第23問までで6割取れている自信があったので深く考えないで選びました。
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